発音 (1) — 読み方


スペイン語の文字の読み方には以下のような規則があり、例外はありません。

以下の説明はわかりやすいよう単純化しています。
厳密に言えば日本語の音とはいろいろ違いますし、地域によって (たとえば、スペインとラテンアメリカで) 発音が微妙に違うこともありますが、ここでは一番単純な説明を紹介しています。

母音字 (a, e, i, o, u)
ア、エ、イ、オ、ウ
日本語と同様の発音で差し支えありません。
B
日本語のバ行の音です。 ba, be, bi, bo, bu → バ、ベ、ビ、ボ、ブ
C
ca, co, cu → カ、コ、ク (kと同じ発音)
ce, ci → セ、スィ (sと同じ発音)
CH
日本語のチャ行の発音です。
cha, che, chi, cho, chu → チャ、チェ、チ、チョ、チュ
D
日本語のダ行の発音です。
da, de, di, do, du → ダ、デ、ディ、ド、ドゥ
単語の末尾がdの場合、音がほとんど消えます (例: Madrid、usted)。
F
英語のFと同様で、上の前歯を下唇に当てて発音します。
fa, fe, fi, fo, fu → ファ、フェ、フィ、フォ、フ
G
ge, gi 以外は日本語のガ行の発音です。
ga, go, gu → ガ、ゴ、グ
ge, gi → ヘ、ヒ (日本語のハ行の音ではなく、後述の「j」と同じ発音をします)
gue, gui → ゲ、ギ
güe, güi → グエ、グイ
H
スペイン語では「h」は読みません。
ha, he, hi, ho, hu → ア、エ、イ、オ、ウ
J
日本語のハ行とは違い、のどの奥をこするようにして出す音です。
ja, je, ji, jo, ju → ハ、ヘ、ヒ、ホ、フ
K
日本語のカ行の音です。
ka, ke, ki, ko, ku → カ、ケ、キ、コ、ク
L
日本語のラ行に似ていますが、下を上あごにベッタリくっつけます。
la, le, li, lo, lu → ラ、レ、リ、ロ、ル
LL
説明が難しいのですが、リャ行とヤ行とジャ行の間のようなあいまいな音です。
「ヤ行に濁点を付けたようなイメージの音」とでも言えばよいでしょうか。
後述のyと同じように発音されることが多いです。
便宜上次のように読みがなをふりますが、リャ行で表記されることも多いです。
lla, lle, lli, llo, llu → ジャ、ジェ、ジ、ジョ、ジュ
M
日本語のマ行の音です。
ma, me, mi, mo, mu → マ、メ、ミ、モ、ム
直後がbやpの場合は「ン」のように発音します。例: campeón (チャンピオン) → カンペオン
N
日本語のナ行の音です。
na, ne, ni, no, nu → ナ、ネ、ニ、ノ、ヌ
直後に母音がない場合は「ン」のように発音しますが、厳密には「ナ行の母音を取り去った後の音」です。そのため、単語の末尾がnで、次の単語の先頭が母音の場合、このnと母音が結びついて発音されます。例: cien aves (100羽の鳥) → スィエナーベス
P
日本語のパ行の音です。
pa, pe, pi, po, pu → パ、ペ、ピ、ポ、プ
Q
スペイン語では次の形でしか使いません。
que, qui → ケ、キ
R
日本語のラ行とよく似ています。舌先で上の歯ぐきの裏を軽くはじきます。
ra, re, ri, ro, ru → ラ、レ、リ、ロ、ル
ただし、単語の先頭と、n、s、lの直後のrは、後述の「rr」と同じ発音をします。例: rey (王)、sonrisa (ほほえみ)
RR
いわゆる「巻き舌のR」。
rra, rre, rri, rro, rru → ラ、レ、リ、ロ、ル
S
日本語のサ行の音です。
sa, se, si, so, su → サ、セ、スィ、ソ、ス
T
日本語のタ行の音です。
ta, te, ti, to, tu → タ、テ、ティ、ト、トゥ
単語の末尾がtの場合、音がほとんど消えます (例: carnet)。
V
Bと同じ音です。英語のVのような発音はしません。
va, ve, vi, vo, vu → バ、ベ、ビ、ボ、ブ
W
外来語を表す場合にのみ使用します。
発音としては「b」、「w」、「gw」のいずれかになります。
b: watt (電力単位のワット) → バッ
w: sandwich (サンドイッチ) → サンドゥイッチ
gw: whisky (ウィスキー) → グゥイスキ
X
単語の先頭: 「s」の発音
それ以外: 「ks」の発音
xilófono (木琴) → シロフォノ
exámen (試験) → エクサメン
fénix (不死鳥) → フェニクス
extremo (極端) → エクストレモ
※「それ以外」でも「s」と同じ発音になることがありますが、詳細は割愛します
Y
ヤ行とジャ行の間のようなあいまいな音です。
「ヤ行に濁点を付けたようなイメージの音」とでも言えばよいでしょうか。
前述のllと同じように発音されることが多いです。
便宜上次のように読みがなをふりますが、ジャ行での表記がされることも多いです。
ya, ye, yi, yo, yu → ヤ、イェ、イ、ヨ、ユ
直後に母音がない場合は「イ」と発音します。例: ley (法律) → レイ
Z
「s」と同じ発音です。
za, zo, zu → サ、ソ、ス
※ze、ziは通常は使いません