いろいろな品詞 (2)

次は、冠詞・前置詞・動詞について少しずつ。
これも詳しい解説については、ちゃんとした参考書などをごらんください。


<冠詞>

冠詞というのは、英語で言えば「the」や「a / an」にあたるものです。

まずは「定冠詞」。英語の「the」にあたるものですが、これもなんと…

性別単数複数
男性ellos
女性lalas

そう、性別や数があるんですね。かかっている名詞の性別や数にあわせます。
el sol(太陽)、la luna(月)のように名詞の前に置いて使います。
基本的には「特定できる名詞(すでに話題に出てきたものとか、言わずともそれとわかるものとか)を指す場合に使う」ものです。
詳しいことは、参考書などを…(←逃避)

ついでに、不定冠詞。英語の「a / an」と同様、単数形のみです。
男性形は un、女性形は una。un estudiante(一人の男子学生)、una amiga mía(私の女友達の一人)のように使います。
基本的には「(少なくとも聞き手にとっては) 不特定の一つのものを指す場合に使う」ものです。
これも詳しいことは(以下略)


<前置詞>

使い方は英語と同じようなものです。いろいろありますが、代表的なものを挙げます。意味も本当はもっといろいろあるのですが、主なものだけ並べました。

de ~ : ~の、~から
a ~ : ~へ、~に
en ~ : ~の中に(中で)
desde ~ : ~から
hasta ~ : ~まで
para ~ : ~のため
por ~ : ~を通って、~によって
con ~ : ~と一緒に
sin ~ : ~なしで

なお、de と a は、定冠詞 el が直後につくと、この el と結合します。
 de + el → del a + el → al


<動詞>

さて、いよいよ最難関の動詞です。現在形や過去形などの細かい話はこのサイトではしません(『超初級』のレベルをどう見ても超えてるし)。
では、ここでは何の話をしたいか、というと、動詞について最低限知っておかなければならない、恐ろしい事実です。

例えば、英語で「open(開く)」の現在形の活用というと「主語が 3 人称単数のときだけ opens、あとは open のまま」ですね。
過去形にいたっては「主語が何であろうと opened」。簡単です。
ところが!スペイン語の「abrir (開く)」はというと、主語の人称と数が変わると…

人称単数複数
1人称abroabrimos
2人称abresabrís
3人称abreabren

そう、つまり現在形だけで 6 通りもの形が!!

こういうのが、過去形や未来形にもあるわけです。
しかも、上の「abrir」は規則活用の類ですが、不規則活用も(英語以上に)山ほどあります。
さらに、過去形に「線過去」と「点過去」の 2 種類があったり、また「接続法」という謎の活用体系があり(用法については英語の「仮定法」と重なる部分が多いです)、この接続法にも現在形や過去形などが独自の活用形で存在するなど、スペイン語学習者にとっては動詞の活用は最大の障壁です。

通常、スペイン語辞書には巻末にこういう活用表が載っています。この先本気でスペイン語をやろうという人は、まずこの活用表に目を通して、覚悟を決めてから臨んでいただければと思います。