当『スペイン語の玄関』の「アルファベット」の項では、アルファベットの文字数を「英語のアルファベットの26文字に ñ を加えた27文字」としています。
しかし、かつては「英語のアルファベットの26文字に ñ、ch、ll を加えた29文字」でした。
ch と ll は、かつてはアルファベット順の並べ替えでもひとまとまりの独立の1文字とみなされていました。
たとえば、旧来のアルファベット順では cz → cha、lz → lla のような順序になっていたわけです。
ところが、スペイン語アカデミー協会が1994年に、アルファベット順を考慮する際には ch と ll をそれぞれ2文字(c+h、l+l)とみなすことを決定しました。
DPD(2005年版)の「ABECEDARIO」の2項には次のような記述があります。
Esta reforma afecta únicamente al proceso de ordenación alfabética de las palabras, no a la composición del abecedario, del que los dígrafos ch y ll siguen formando parte.
(この改定[=1994年のスペイン語アカデミー協会による決定]はアルファベット順の解釈の仕方を規定しているだけであり、アルファベットの構成そのものを変えるものではない。したがって、ch と ll はいずれも従来通りアルファベットの文字のひとつとして数える)
この『スペイン語の玄関』でも以前は、上記の見解に従い、スペイン語のアルファベットは(少なくとも学術上は)「英語のアルファベットの26文字に ch、ll、ñ を加えた29文字」であるものとしていました。
ところが、2014年12月19日になって、RAEのサイト内にSe excluyen definitivamente del abecedario los signos ch y ll
(現在、chとllはアルファベットからは完全に削除されている)とあるのに気が付きました。
そこで、同日中にツイッターでRAEに問い合わせてみたところ、次のような回答がありました。
La decision de excluir la «ch» y la «ll» del abecedario se tomó en la Ortografía de 2010, posterior al DPD, de 2005.
(chとllがアルファベットから正式に削除されることになったのは2010年で、DPDが発行された2005年より後のこと)
何ですって!? 全然知らなかったーー!
というわけで、「アルファベット」の項を書き直しました。スペイン語のアルファベットは、英語のアルファベットにñを加えた27文字です。
ちなみに、RAEからは次のようなツイートもいただきました。
Actualmente estamos trabajando en la actualización del DPD, para publicar una segunda edición.
(現在、DPDの第2版発行に向けて活動中)
というわけで、第2版での記述が確認できたら、あらためてこのページでご案内いたします。